株式会社マイスターエンジニアリング(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:平野大介、以下「当社」)情報システム部 部長の小澤大三が、2026年9月3日(木)に日本マイクロソフト株式会社主催の「Microsoft Data & AI Forum Osaka 〜分析から AI エージェントへ。データ活用の最前線〜」に登壇しました。
「データを業務アプリへ変える新時代―Data AppとAIエージェントによる業務変革」と題したセッションにおいて当社小澤は、AIを開発支援に活用しながら、現在社内で進めているグループ共通データ基盤の開発事例を、①成果が見える領域から始める、②実装はAIエージェントに任せる、③品質は仕組みでつくり込む、④既存資産をAIで解析し、開発資産へ転換する、という4つの切り口から紹介しました。
①成果が見える領域から始める
データ基盤は、要件を最初から完全に定めることが難しく、実際に利用する中で必要な機能やデータが明確になります。そのため、当社では必要最小限の機能から開発を始め、利用状況を踏まえて機能追加や改善を重ねる方法を採用しました。また、データ品質や管理ルールについては、最初からすべてを整備するのではなく、開発する機能や対象データに応じて必要な範囲から着手し、利用状況や開発の進捗に合わせて段階的に拡張していく方針としました。
②実装はAIエージェントに任せる
開発においては、人がゴールや業務の背景、判断基準を示し、成果物の確認・承認を行いました。一方、データを取り込む処理や、データの集計・可視化に関する設計案の作成、プログラムの生成、動作確認の補助にはAIを活用しました。AIに全面的に委ねるのではなく、目的と目標を明確に示したうえで、工程ごとに人が内容を確認し、必要に応じて方向を修正する体制を整えました。講演では、様式の異なるグループ会社約20社分のデータ取り込み事例を紹介しました。当初は1社あたり約1週間を見込んでいた作業が、AIの活用により、1社あたり2~3時間から半日程度で完了するケースもありました。ただし、AI活用による重要な変化は、単なる工数の短縮だけではありません。AIにより実装作業そのものにかかる時間が抑えられ、人が担うべき目的の設定、判断基準の明確化、成果物の評価、改善方針の検討に、より大きな比重を置けるようになりました。

③品質は仕組みでつくり込む
AIを活用した開発では、「AIが構築したシステムが正しいことをどう確認するか」という点が重要になります。当社では、すべての成果物を人が一から確認する状態に戻らないよう、AIに何を確認させ、どのような形式で報告させるかをあらかじめ設計しました。そのうえで、最終的な判断と承認は人が担う仕組みとしました。これにより、AIの活用による効率化と、人による品質管理を両立させています。
④既存資産をAIで解析し、開発資産へ転換する
AIは、新たなシステム開発だけでなく、既存システムの処理内容を把握する場面でも有効です。長年の運用により処理内容が複雑化した既存システムでは、現状把握や再構築に大きな負担がかかる場合があります。AIを活用することで、こうしたシステムの処理内容を解析し、必要なプログラムへ書き換える取り組みを進めやすくなりました。これにより、開発から運用・保守までを社内で一体的に進める体制づくりにつながっています。
これらは個別に進めるのではなく、データ基盤、AIエージェント、人によるガバナンスを一体化させることで、AI活用をPoCから全社展開へ広げられるよう、取り組んでいます。
グループ共通データ基盤開発の背景と、今後の展望
当社グループは、2026年11月1日時点で22社を擁し、今後も拡大が見込まれています。グループ全体を一つの経営体として捉え、経営判断に必要な情報を横断的に活用するため、グループ共通データ基盤の構築に取り組んでいます。一方で、各社によって人事制度、業績の締め方、利用しているシステムなどが異なるほか、開発体制にも限りがあります。こうした状況に対し、当社は「Microsoft Fabric」(データの収集・加工・保存・分析・可視化までを一体化し、AI活用を支える統合データプラットフォーム)を基盤として採用し、AIを開発支援に活用することで、社内でのデータ基盤開発を進めています。
経営情報のさらなる一元化に向けては、引き続き課題もあります。今後は、グループ各社の会計データ、採用・人材育成、施設管理などのデータ連携を進めるほか、各システムからデータを収集する工程に残る手作業の削減にも取り組みます。また、データごとの責任者を明確にするなど、データ管理体制の整備も進めます。全社データの整備とデータ品質の向上を優先しながら、用語や指標の定義、データ同士の関係性を整理し、AIが数値の意味や根拠を辿れる環境の構築にも並行して取り組んでまいります。
当社は今後も、管理部門業務および保全・メンテナンスの現場におけるDX推進に取り組みます。社会インフラおよび製造業を支える技術サービスの提供体制をさらに向上させ、グループ全体の業務品質と生産性の向上を目指してまいります。
イベント概要
イベント名:Microsoft Data & AI Forum Osaka 〜分析から AI エージェントへ。データ活用の最前線〜
主催:日本マイクロソフト株式会社
オンデマンド配信:S3 - データを業務アプリへ変える新時代 ― Data App と AIエージェントによる業務変革【Microsoft Data & AI Forum Osaka オンデマンド配信】
※Microsoft Fabric は、米国 Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
関連資料
< マイスターエンジニアリンググループについて >

マイスターエンジニアリンググループは、1974年の創業以来、「技術で、社会を支える」エンジニア集団として、人々の日常、社会・経済活動を支える製造業・インフラを未来へと繋いでいくことを使命に、高い技術を持つ中小企業が集まり、協働する「技術サービス連邦※」を形成しています。
※技術サービス連邦:マイスターエンジニアリンググループでは、高い技術力を持つ中小企業の事業を継承し、仲間として迎え入れています。参画企業同士がそれぞれの強みを活かしながら自立し、互いに支え合い・協働し合うことで、ともに成長を目指す連邦型の経営基盤を構築しています。