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現場を守りながら、組織を強くするために

近畿電設保障_事業承継インタビュー

近畿電設保障株式会社

  • 特別高圧・高圧領域電気設備
  • 竣工時絶縁耐力試験・保守点検・測定
  • 付随する届出書類作成

特別高圧・高圧の電気設備について、工事着工前の産業保安監督部届出書類作成から工事完成後の使用前自主検査の実施、安全管理審査受審にいたるまで、一貫したサービスを提供しています

設立
1981年3月
所在地
〒534-0002
大阪府大阪市都島区大東町2丁目5-15
電話
06-6924-1212
代表者
代表取締役 迫田 隆文

理想を叶えてくれる譲渡先は、存在します。かつての私も、「やり方を変えられるのではないか」「社員に不利益が出るのではないか」といった不安を抱いていました。しかし実際には、会社の歴史や従来のやり方を尊重しながら、「人」や「仕組み」など不足部分を補い、サポートしてくれるマイスターエンジニアリングに出会うことができました。

事業継承の理由

できていた採用が徐々に難しくなり、ついには求人を出しても「応募ゼロ」の状態に。自分たちだけでできることにはもう限界がある、会社を続けていくには外部の力を借りるしかないと考えました。

INTERVIEW

インタビュー

岡田さんは社長就任以来、どのような想いで会社を経営されてきましたか?

入社以来20年間、ずっと現場一筋でした。正直、当時は「しんどくて辞めたい」と思うこともありました。電気点検というのは、施設が稼働していない夜間やテナントが休みの年末年始に行う必要があります。日曜日に休めないこともある。そんな生活を20年続けてきたタイミングで、「社長をやってくれ」という話が来たんです。

私は、社員が「しんどくて辞める」と感じる会社のあり方は間違っていると思っていましたし、そのような環境を次の世代に引き継いではいけないと考えていました。人生、仕事がすべてではありません。社員がなるべく交代で休めるようにしたい、現場の負担を減らしたい。その一心で、経営を引き受けました。

事業承継を考えるようになったきっかけは?

一番大きかったのは採用です。かつて中心メンバーを採用していたころは、求人を出せば5人程の応募があり、その中から2人採用できるかなという感覚でした。しかし、それから5年が経過すると応募は3人に減り、1人採用できるかどうかという状況に。直近、「もうこれは限界だ」と決断を下すきっかけとなったタイミングでは、ついに応募が「ゼロ」になり、採用ができないという現実を肌身で感じました。

当社の仕事は人がいなければ成り立ちません。現場の仕事は相変わらず溢れているのに、人手が足りない。そうなると今いる作業員に過度な負担がかかり、疲弊し、潰れていってしまう。あるいは離職を招いてしまうのではないかという危機感がありました。実際に3年目、4年目の若手が次々と辞めていった時期があり、その時は本当にショックでした。

私は現在60代ですが、あと10年、20年と続けていったとして、いずれ誰かに引き継がなければならない。息子は全く継ぐ気がありませんでしたし、社内から後継者を出そうにも、その人が経営に回って現場から抜けたら、今度は現場が回らなくなるというジレンマでした。 学校を回って求人を出すなど、自分たちなりに手は打ってきました。しかし当社は技術者の集団であり、対外的に仕事の魅力を十分に語れる人もいませんでした。私が動けば管理業務が手薄になる。そこで、「自分たちだけでできることには、もう限界がある」と痛感したんです。これが、事業承継を本格的に考え始めた真の理由です。

承継先として、どのような選択肢を検討されましたか?

大きく3つの選択肢を想定していました。1つ目は、大手電気工事会社の中で試験部門として入る形です。安定性はあるものの、工事会社の下につくことで、やり方の違いから現場に反発が出る懸念がありました。
2つ目は同業他社です。候補は数社ありましたが、同じ業種であるがゆえに、細かな仕事の進め方の違いで摩擦が生じるのではないかと感じていました。社員はそれぞれの仕事の進め方に強い自信を持っていますので、その点は慎重に見ていましたね。
3つ目は異業種の企業です。ただ、ファンド系となると経営の方向性に対する不安が大きく、安心して任せられるかという点で迷いがありました。
結果として、どの選択肢にも決め手がなく、すぐに腹落ちするものはありませんでした。

そこから、どのようにM&Aという選択に至ったのでしょうか?

最初からM&Aに積極的だったわけではありません。営業電話やDMはひっきりなしに来ていたのですが、正直なところ、どれも胡散臭く感じてしまい、信用していませんでした。私は欲しいものがあれば、自分で見て納得したうえで決めたいタイプなので。

そこで、まずは当社の財務をすべて知っている顧問税理士に相談しました。多くの法人を担当され、しっかりとした信頼関係のある方です。その場で、会社の状況を鑑みて、今すぐにとは言わずとも、どこか良い譲渡先があれば……と尋ねたところ、M&Aの専門仲介会社を紹介されたのです。

マイスターエンジニアリングとの出会いは?

実は、M&Aを本格的に検討する前に、同業で先にマイスターエンジニアリンググループに参画していた電研エンジニアリングの春名社長にお話を伺う機会があり、これが大きな転機になりました。春名社長に「実際のところどうですか?」と率直にお聞きしたところ、「やり方はこれまでとまったく変わっていません。細かい指示や締め付けもない。ただ、人が増えて非常に助かっています」とおっしゃったんです。

この言葉は衝撃的でした。M&Aというと、会社の看板だけ残して中身の文化や組織は大きく塗り替えられてしまうものというイメージがあったからです。しかし、やり方を変えずに人材を補いながら事業を伸ばしていく――そんな理想的な形が現実にあると知り、羨ましく思いました。同業の方の実体験としてその先行事例を聞けたことが、私の背中を強く押すアクセルになりました。

仲介会社に意向を伝え、早速、譲渡先の候補リストをいただきました。その最上部にマイスターエンジニアリングの名前を見つけ、「同じ業界の電研エンジニアリング社がすでにグループにいるのに?」と一瞬不思議に思いましたが、それこそがマイスターエンジニアリンググループの成長戦略であることは、説明を受けて納得しました。いずれにせよ、私の中では春名社長のお話や仲介会社からの推薦を受け、マイスターエンジニアリングの名前を見た時点で、ほぼ一択。そこから他社に会うこともしませんでした。

マイスターエンジニアリングの第一印象はいかがでしたか?

皆さん物腰柔らかで、特に違和感なく安心してお話ができました。ただ、全く不安がなかったといえば嘘になります。やはり上場されていた企業ですから、調査(デューデリジェンス)は相当厳しいだろうなと。当社は中小企業なので、正直、管理面で”グレー”な部分もありました。業務システム面も人事面も改革途上で、未達部分があることは自覚しており、それがどう評価されるか、怖さはありました。

その辺りの不安は、話を進める中で解消されましたか?

もう、ありのままを見せるしかないと覚悟を決めました。社員と一生懸命やってきた結果であり、「できていないことはできていない。それがうちの現状です」と。その結果、意向表明書でいただいた評価は、私の想定水準を上回るものでした。
ただ、いただいた評価はありがたかったのですが、それが最終的な決め手になったわけではありません。私はかねて「お金も大事だけれど、何よりも会社を続けていきたい」と言い続けてきました。45年の歴史を途絶えさせないこと、それが一番の願いでした。

マイスターエンジニアリンググループに安心して将来を託せると思った瞬間は?

東京の企業ということで、正直なところ少し構えていました。関西人の私は勝手に、「東京の人は冷たいんじゃないか」「厳しく見られるのではないか」という偏見を持っていたので(笑)、どんな方が来られるのか気になっていたんです。
そんな中でマイスターエンジニアリングから着任されたのが迫田さんでした。関西出身で、しかも私と同じ現場の叩き上げで部長を務められていたという方。私自身、現場の感覚を理解している方に来ていただきたいなと密かに思っていましたので、「まさに思い通りの方が来られた」と感じました……ただ、迫田さん、最初は全然笑わなかったんですよ(笑)

後から「かなり緊張していた」と聞いて、逆に親近感がわきました。肩書きや条件だけではなく、実際に話をして、同じ現場の人間として信頼関係が築けたこと、会社をリードしていただけると確信できたこと。それが最大の安心材料になりました。

私は一度やると決めたら迷わないタイプです。人が採れず、自分の力だけではどうにもならないと感じた時点で、会社を続けるには外部の力を借りるしかないと考えていました。不安よりも、「やるしかない」という気持ちの方が強かったですね。実際に契約書に判子を押す場面でも迷いはなく、自然な流れで決断できたという感覚でした。

グループに参画して変わったこと、変わらなかったことを教えてください。

まず、変わらなかったことは、一番大事にしている現場の動きそのものです。私たちの強みである現場の技術力、お客様への提供価値といった面は、そのまま引き継がせていただきました。参画直後は、本当にグループに入ったのかと思うほど静かでしたが、それが現場にとっては混乱をきたさず、逆に良かったのかもしれません。

一方で、変わったことは劇的です。これまでやりたいと思いながらも、リソース不足で手を付けられなかった組織改革が、迫田さんの着任を機に動き出しました。中でも大きいのが、人事労務などアナログで管理していた業務のシステム化です。
以前は各自が工程表を見ながらバラバラに休みを取っており、誰がいつ休むのかも分かりにくい状態でした。現在は1カ月先までの休みがシフト表として可視化され、先の予定が立てられるようになっています。作成する側の負担はあると思いますが、現場にとっては安心感が大きく、非常に意義のある変化だと感じています。

岡田顧問には、いつも″最後の一歩″のところでアドバイスをいただいています。いきなり全部を変えるのではなく、現場の皆さんの意見を聞きながら、既存の業務スタイルに合わせる形で進めることを大切にしています。

会社の中身は一緒でも、社長が代わればやり方は変わるものです。私は逆に、迫田さんの考え方、「迫田流」でどんどん進めてほしいと思います。私が顧問として一歩引いたことで、会社を客観的に見られるようになり、今はすごくゆったりした気分で見守っています。社長時代に背負っていた「自分がやらなければ」という緊張感がなくなり、日々トラブルなく現場が回っているのを見て、いい意味でほっこりしています。

今後の展望について教えてください。

私が目指しているのは、社員1人ひとりが「今日も大変だったけれど、明日もまた頑張ろう」と自然に思える、活力のある組織です。報酬や働き方はもちろん、社会的意義の面でも、本人だけでなくご家族からも「いい会社に入ったね」と感じてもらえる存在にしていきたいと考えています。そのためには、個人に依存した体制から組織的運営に切り替え、社長がいなくても組織として自走できる仕組みを整えることが不可欠です。あわせて、近畿電設保障の強みである「現場力」にさらに磨きをかけるため、採用と育成を強化し、将来的にはエリアの拡大にも取り組んでいければと考えています。

事業承継を検討されているオーナーへ、メッセージをお願いします。

M&Aを検討されている経営者の方にお伝えしたいのは、「理想を叶えてくれる相手は、実際に存在する」ということです。かつての私も、「やり方を変えられるのではないか」「社員に不利益が出るのではないか」といった不安を抱いていました。しかし実際には、会社の歴史や既存のやり方を尊重しながら、「人」や「仕組み」といった不足している部分を補い、サポートしてくれるマイスターエンジニアリングに出会うことができました。

もちろん、それぞれの選択に基づいて最後まで自分の意思でやり抜くことが一番だと思います。ただ、会社や社員、そして技術を次世代につないでいくことを考えたとき、M&Aは非常に前向きで有効な選択肢だと思います。私自身、この決断をして良かったと心から感じています。

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